最狂の暴れ馬、ゴールドシップ。
その破天荒な性格や、ムラのある競争成績から、時に頭が悪いと評されることも。
しかし、その数多のエピソードがゴールドシップの頭の良さを物語っています。
ネット上では変顔写真が目立ったり「頭がおかしい」といった風評被害が広がっている彼ですが、一体どれだけの知能を秘めているのか。
今回は、ゴールドシップの賢さに迫り、彼の意外な一面を明らかにしてみましょう。
賢い馬はレースでサボることを覚えて全力で走らなくなる
元ジョッキーの安藤勝己氏が
「賢い馬はレースでサボることを覚えて全力で走らなくなる。だから僕からしたら、ディープインパクトってバカな馬だと思ってました。いつも全力で走るんですから。」
と答えています。
ズル賢いが故に自分を追い込まない
一方で、その頭の良さから、レースでサボることを覚えることもあると述べています。
ゴールドシップは、レースで無駄なエネルギーを使わないように調整していたということ。
現役時代に一度も故障しなかったという事実は、彼の頭の良さを裏付けるものと言えます。
ゴールドシップは賢いというよりもズル賢い。
ゴールドシップは適切に加減して走っているため、現役時代の故障を免れています。
良い意味で自分を限界まで追い込まない賢さが備わっていたと考えます。
引退後の身体検査で異常なし
ゴールドシップは、引退後の身体検査では異常が見つからなかったと言われています。
現役時代のゴールドシップは、500kg前後の馬体重でレースに出走していました。
500kgの大きな馬体で全速力で走ると、引退後には通常、何かしらの負担が残ることが多いもの。
しかし、引退後の身体検査で健康状態に異常がなく、良好で元気そのもの。
生まれつき身体が丈夫だったこともありますが
この事実は、彼がレースで力をセーブして走っていた可能性があるのでは、と多くの話題を呼びました。
自分の限界をよく知っていたからこそ、6歳まで怪我無く最前線で戦えたのだと思います。
わかりやすく感情表現ができる
出典:https://www.keibalab.jp/topics/15960/
ゲートで暴れたり、気分屋だと言われたゴールドシップですが、これは「走りたくない」からこその感情表現。
気分が乗らない場合、調教やG-1レースといった状況においても全く走りません。
ゲートで暴れたり気性の激しさを見せるのは、ゴールドシップが「今日は走りたくない」という意思表示をしているからこそ。
こうした行動が見られると、多くの場合そのレースではあっさり負けてしまいます。
賢い馬は状況の変化に敏感。レース中に予期せぬ変化が起きると、その変化を理由に走ることを拒むことがあります。
馬が感情や意志を示すのは、周囲の状況を理解しているからこそ。
ゴールドシップの場合、感情表現が非常にわかりやすいですが、馬が感情や意志を表現できることは頭が良い証拠だと言えます。
人間を舐めている、自身を人間よりも優位に見ている
ゴールドシップが暴れ馬として認知さるようになったのは、明け3歳の頃。
調教助手の北村さんは、ゴールドシップが言うことを全く聞かないため、立ち上がったり飛び跳ねたりと好き放題にふるまうゴールドシップに喝を入れるべく叱ります。
叱られたことに腹を立てたゴールドシップは、北村調教助手を振り落とします。これによって北村調教助手は、右肩を脱臼し、病院送りになりました。
須貝調教師によれば、合計で6人もの人がゴールドシップによって病院送りにされたとのこと。
北村調教助手は後に、「振り落とされた後、ゴールドシップはその場で立ち止まって笑った」と語っています。
ゴールドシップは、自分に逆らう者には厳しい措置を取るという姿勢を示していたのでしょう。
「人を舐めている」とも取れる行動ですが、そもそも賢くなければ人間を舐めたりしない。
記憶力が良く、強敵を認識する能力がある
ゴールドシップは、好き嫌いが激しことは周知の事実。
特に、彼が嫌いな馬の中でも注目されているのが、犬猿の仲であるトーセンジョーダンです。
トーセンジョーダンはゴールドシップよりも3歳年上の栗東のボス馬。
ボス格のトーセンジョーダンは、栗東に来たばかりのゴールドシップに対して「ここのボスは俺だ」と威嚇したことがありました。
ゴールドシップはその出来事を覚えており、それ以来トーセンジョーダンに出くわすと必ず蹴りに行くという行動を見せつけました。
こうした行動からも、ゴールドシップの記憶力の良さがうかがえます。
ライバルのフェノーメノに吠える
ゴールドシップには、他の競走馬の強さを察知できる知能があります。
2014年、春の天皇賞では、ゲート入りした際に隣枠のフェノーメノに反応し、ゲート内で立ち上がり吠える場面がありました。
馬の猛獣のような咆哮に、ジョッキーや関係者も耳を疑ったといいます。
JRAの係員によって、「お尻を触られてゲートに押し込まれたことで激怒したのではないか」という説が浮上していましたが、ゴールドシップの元担当厩務員である今浪さんは「フェノーメノにケンカ腰で吠えていた」と述べています。
レース結果は、フェノーメノが1着、ゴールドシップが7着。
このエピソードとレース結果から、ゴールドシップがフェノーメノを強敵だと認識していたということがわかります。
ゴールドシップは賢くて繊細、理解力のある馬
現在の繋養先であるビッグレッドファーム代表の岡田さんは、ゴールドシップについてこのように述べています。
「この馬は頭がとても良くて繊細なんです。あまりにも繊細すぎて好不調に波がある。
いかなる状況でも常に精神が安定しているというわけではない。
レースでも、ある時はとてつもないパフォーマンスを見せるのに、気分を害することをされると過敏に反応したり、道中の位置取りが悪くなる、折り合いを欠くとレースをやめてしまうこともある。
種牡馬になった今でも扱い方を間違えると、気分を害する。でも、ちゃんと理解して人を信頼すると人間ともわかりあえる。
頭が良すぎるからあんなレースや行動をしていたのだ。と、うちに来てからわかりましたね。」
ゴールドシップの場合は人間と関係を築くように、対等に考えながら接する必要があるということです。
まとめ
今回は、ゴールドシップの賢さについてご紹介しました。
- 賢さゆえにレースで手を抜く
- 自分の限界を知っていたので引退まで故障なし
- 状況を理解して上手に感情表現ができる
- 過去の出来事を根に持つほど記憶力がよい
- 自分の強敵を察知できる
- 対等に接すると人間とも分かり合える
ゴールドシップは、岡田総帥をはじめ競馬関係者からも「頭が良い」と高く評価されています。
そのため、暴れたり蹴ったりという行動に出ると言われています。